3.2.4 中性子水分計

 中性子水分計の原理は、速中性子が水素原子と衝突すると減速されて熱中性子になる現象を利用したものです。線源から放出された速中性子は物質中の水分の含有量により熱中性子になり、この熱中性子に対しては高感度で、速中性子に対しては感度がないBF3比例計数管を被測定物の内部、または表面に設置し、物質中の水分、および水素量測定する装置です。
 熱中性子の数は被測定物中の水素の数にほぼ比例し、この時の被測定物に対する有効な測定範囲は半径300〜500mmとなります。中性子水分計の測定方式は、図3.2.4‐1に示すように表面形と挿入形の2種類があり、使用される線源は241Am-Beの中性子線源が用いられ、検出器はBF3比例計数管を使用しています。挿入形中性子水分計は、被測定物の粒子形状が小さい粉コークスや焼結原料等の水分測定に、表面形中性子水分計は、粒子形状が大きい塊コークス等の測定に適しています。一方、挿入形中性子水分計は表面形中性子水分計より、線源量が小さいのが特徴です。
 BF3比例計数管を用いた中性子水分計の基本的な構成を図3.2.4−2に示します。熱中性子を検するBF3比例計数管、パルス信号を増幅し伝送するプリアンプ、雑音的なパルスを除去する波高選別回路(ディスクリミネータ)、単位時間当たりの計数を表示する計数率回路(スケーラ)、検出器からの入力に相当するパルスを発生する模擬入力回路、電圧電流に変換するV‐I変換回路、BF3比例計数管に高電圧を供給する高電圧回路、各モジュールに電圧を供給する電源回路より構成されています。
 使用例には次のようなものがあります。

1) 鉱石、焼結原料、粉コークス、塊コークス等の水分測定 ・・・・・・・鉄鋼業
2) 砂、コンクリート中の水分測定 ・・・・・・・土木工事


図3.2.4-1 中性子水分計の測定方式

図3.2.4-2 中性子水分計の基本構成