2.2.4 GM計数管

 比例計数管のバイアス電圧をさらに上げ、大量の電子なだれを生じさせると、電子との衝突により多数のガス分子が励起される。
 この分子は紫外線を発して基底状態に戻るが、この紫外線が陰極壁若しくはガス自体から光電子を放出させ、この電子が次の電子なだれへと自己連鎖的に発展する。これがガイガー放電で、最初に生成した電荷量の106〜107倍の電荷が生成される。
 電子に比べると陽イオンは移動速度が遅いため陽極芯線近傍には高密度の陽イオン雲が取り残され、空間電荷として作用する。ガイガー放電は主としてこの空間電荷が電界強度を弱めることで終結する。GM管はバイアス電圧範囲をこのガイガーミュラー(GM)領域(図2.2.2-2)に設定して用い、出力パルス電圧が大きい(数V)ことから計数回路を簡素化できる。
 構造的には比例計数管と同様、極細の芯線を用いた同心円筒形状が多いが、β線検出用には芯線をループ状にして特定の方向に入射窓を有するものもある
 なお、GM管内の陽イオンが陰極に到達すると光電子を生じ、新たなガイガー放電を引き起こしてしまうため、それを防止する臭素等のハロゲンガスが消滅ガスとして混入してある。
 図2.2.4にGM計数管の外観例を示す。

図2.2.4 GM計数管の外観