2.1.10 荷電粒子による核反応

 α線のように比較的エネルギーの小さな荷電粒子でも、ターゲットとなる原子核の原子番号が小さい場合はターゲット核周辺の電場が小さいため、相手の原子核と接触し、核反応を生ずることがある。9Beは中性子を放出しやすい特異な原子核で、α線と9Be(α,n)12C反応を起こす。この核反応は中性子生成反応であり、α線放出核種である241Amと9Beの混合物を密封したものは中性子線源としてよく使われる。
 サイクロトロンなどの加速器で得られるエネルギーの大きな荷電粒子ではさまざまな核反応を生ずる。例えば、放射性核種である65Znは、銅ターゲットに陽子(p)や重陽子(d)ビームを照射し、65Cu(p,n)65Znあるいは65Cu(d,2n)65Zn反応を利用して生産される。