2.1.3 軌道電子捕獲

 軌道を回っている電子が原子核に捕獲される現象を軌道電子捕獲(EC:Electron Capture)という。軌道電子捕獲では、原子核内の陽子が中性子と中性徴子に変化する。これはβ+壊変の式(2.3)で、陽電子の項を右辺から左辺へ移行させたものに相当する。

軌道電子捕獲 (2.4)

 軌道電子捕獲では主としてK軌道の電子が捕獲される。K軌道にできた空席を、外の軌道の電子が移ってきて埋める。その際にそれぞれの軌道の結合エネルギーに差があるため、その差のエネルギーの特性X線が放出される(図2.1.3)。
 軌道電子捕獲とβ壊変は、いずれも余分な陽子が中性子に変化するものである。陽子過剰核では、この2種の反応は競合する(どちらの壊変もあり得る)場合が多い。

図2.1.2 β線のエネルギースペクトル

図2.1.3 軌道電子捕獲