2.2 味覚

 一般に味は、酸味・塩味・苦味・甘味・うま味の五つから構成され、それぞれ、水素イオン、塩類、アルカロイド、糖類、アミノ酸や核酸などがこれらの代表的な呈味物質である。これらを簡便に測るセンサとして、pHメータを使用した酸味計、導電率計やイオン選択性電極を使用した塩味計、屈折率や近赤外線の透過を測定する糖度計などがある。また、酵素を用いることで、グルコースやアミノ酸等を選択的に高精度で測る酵素センサがある。これらのセンサのアプローチは対象とする化学物質を選択的に捉えようという化学分析から出発しており、味の総合的な識別には適さない。しかし、食品の品質に大きな影響をもつ味物質については、これらに対して選択性の高いセンサを用いれば、品質管理に大変有効であろう。既に広く使われている米の食味計は、近赤外線の吸収スペクトルによって精米中の水分・アミロース・タンパク質・脂肪酸等を測定し、これらの分析値から重回帰分析を用いて食味値を計算するものである。
 一方、脂質膜を利用したマルチチャネルの味センサは、これらのセンサのもつ高選択性とは異なる広域選択性という概念をもつ。味センサは個々の物質選択性をあまり重視せずに、同系統の味を呈する物質に広く応答することを特徴とする。味センサは、味検出に重要な働きをする脂質を高分子化合物で固定化した人工の脂質膜を用い、呈味物質の吸着による脂質膜の膜電位変化を出力する(図2.2)。応答特性の異なる脂質を膜材料に選ぶことにより、特性の異なる味センサを作ることができる。特性の異なる複数の脂質膜からの信号のパターンをコンピュータで識別し味を認識するという、人間の味の識別方法と近いものである。使用するセンサの選択性を最適に制御すれば、高い識別能力をもつ味センサが実現できる。食品の新製品開発や製造ラインでの品質管理など、官能検査のサポートとして味センサは有効であろう。

図2.2 味センサの原理

人間が感じる騒音の大きさは、上記の図2.3に基づいて求めるのがよいが、現場で簡単に求めるには、等ラウドネス曲線に基づいて周波数補正を行った音圧レベルを測定する。国際規格によれば、1kHz、40dBの等ラウドネス曲線に基づいた周波数補正(A特性)した音圧レベルを騒音の大きさを表す量(騒音レベルと呼ぶ)として使用され、市販の騒音計の基本的な計測量となっている。
 最近の騒音計では、ラウドネスや、そのレベル化したラウドネスレベルを計算表示できる騒音計も出現してきている。