2.1 視覚


 一般に、感覚量計測においては物理量から人間の感覚量に合わす為に、その変換係数を定める必要がある。視覚は人の大脳皮質の相当量を使い、画像、色合い、質感、影、反射等を処理しているが、視細胞の分光感度は波長380nm〜780nmの範囲にあり、色と明るさに関しては、図2.1の様な3つの感度(xyz)が変換係数となる。この係数を利用して、電気的に3つの感度を持った計測器を使い、色彩計、照度計、輝度計等の視覚計測器が作られている。
 照度計はyの感度を持った測定器で、事務机の照度を計り目の健康に役立ったり、屋外の照度から植物の生育予測に利用されたり、屋内調度品の照度むらを計り快適な照明調整に役立っている。

図2.1 等色関数

色彩計の測定方法は分光測色方法と刺激値直読方法に分類でき、測定対象別では光源色と物体色を計る機器に分類できる。また測定範囲では1点を計る機器と多点計測により二次元を計る機器に分けられる。分光測色方法は分光データにxyzの関数を使って計算で色を数値として表す方法である。刺激値直読方法は光をxyzと同じ特性を持つ光電受光器で直接測定して色を数値にする。また、光源色は光源からの光を直接測定するが、物体色を計るには内蔵光源を発光して物体から反射する光から色を数値にしている。

 色は伝達するときに言薬で表すと誤解が避けられない。その為に色票(色見本)を作りその表示方法から色を伝える事が行われたが、人の目で判断する為個人差があり、間違いが発生しやすい。色彩計を用いるとこのような誤差が無く、色を正確に伝達することができ、また色を数値データに置き換えることにより、その値から量が判断でき、色の差から色差値を求め良否判断にも活用できる。さらに色が数値化できると、数値データを用いて、目的の色を作る色材の配合比をコンピュータカラーマッチ(CCM)法により計算できたり、過去に作った色を探すコンピュータカラーサーチ(CCS)法を使い、その色の配合データより求める色を作ることができる。  一方、2次元のセンサを使うことにより画像としてデータ収集が可能である。画像から文字認識のシステムに結び文字認識したり、危険な場所や高温で人が近づけない場所、爆発の可能性のある場所での監視カメラとして使われている。

 色を表示するXYZ表色系は1931年に制定された。色の判断は目が基本であるが、測定値と目の感じ方に差が出る現象が発見されている。例えば、生活空間には多くの色が混在し、隣の色が影響して違った色に見えたり、ローソクや白熱灯の下では目の順応反応が赤色の感度を下げたり、低照度環境ではyが変化する等の生理現象が起こっている。これらの補正が学会レベルで研究されており、近い将来工業レベルで利用できる方法が完成すると、より視覚に近い計測器が完成する。