2. コントローラ

本章で扱うコントローラとは、CIMモデルにおけるステーションレベルで使用されるものを想定している。定義としてはアクチュエータやセンサ等と接続され、制御系の中で制御量を目標値に一致させるような機能または追従させるような機能、いわゆる制御機能を有する、汎用あるいは専用のコンポーネントをいう。実際には、コントローラは、システム下位に位置する装置の制御から上位の情報系との連携を司るレベルまで、広範囲にわたる製品群からなる。FA化・CIM化が進む中、情報ネットワークにより各機器を相互に接続し、コントローラの制御情報や生産管理情報をオンライン化することが必要になってきており、他機種との接続が製品のそなえる条件の一つとなっている。

本章では、コントローラを次の様に分類している。
(1)プログラマブル・コントローラ
(2)FAコントローラ
(3)専用コントローラ

いずれのコントローラでも、制御機能の高速化・高機能化とオープン化への対応という面での進化が見られる。
個々のハードウェアは、コストダウンと小型化、高機能化がはかられてきた。その発展にはめざましいものがあるが、その発展を支えてきたものはコンピュータ技術とIC技術の進歩である。現状のほとんどのコントローラにはデータアドレス幅8〜32ビットMPUが内蔵されている。MPUの技術伸長にともない、コントローラ上での複雑な演算や高速での制御が可能になった。
オープン化への対応という面では、最近では、リアルタイム性を有する汎用のOS(オペレーティングシステム)を塔載したもの、または、搭載可能なものが登場している。また、ETHERNET通信インタフェースを装備し、ネットワークに対応可能な機器が増えている。
オープン化のメリットは、パソコンのマンマシン機能を利用できること。複数ベンダの機器を相互に接続可能(マルチベンダ化)になることによりシステムの高度化がはかれること、また、ソフトウェア資産の流用が可能になることなどが挙げられる。これらのメリットをユーザが享受できるよう、今後ますますオープン化への対応が進むと思われる。



2.1 プログラマブル・コントローラ
プログラマブル・コントローラ(PC)は、GM社の提唱のもと、1969年に米国で誕生して以来、国内市場において金額で約1300億円、台数では100万台を超える規模を成すFA化のキーコンポーネントである。
PCは産業用のコントローラとして保守性・信頼性・経済性・拡張性に優れ、手軽に使えることから市場を拡大してきた。
有接点リレーを使用したシーケンス制御装置の代わりとして登場したPCは次の特長を備えている。

(1)リレーの代わりに半導体素子を使用したエレクトロニクス装置である。
(2)プログラムにて制御内容を実現する。
(3)MPUの採用により高度な演算とシーケンス制御の組み合わせが可能である。
(4)半導体素子を利用した装置にも関わらず、AC100/200Vの入出力を直接扱うことが出来る。
(5)制御規模に応じてシステム構成の最適化が可能。

PCの動向としては、まず用途としては大容量で高機能な用途と、小容量でリレー盤の代替として使用される用途の2極化が進んでいる。システムの構成方法は集中型と分散型、並びにその複合型があるが、いずれにしても入出力をリモート化することにより、省配線を目指すものが主流となっている。又、各社オリジナルのリモートI/Oに加えフィールドバスを使用してのオープン化が進んでいる。
プログラミングの方法はPCの一つの特長であるラダープログラミングに加え、SFCやBASICを併用できるものもある。最近ではこれらを統一し、IEC1131−3として標準化され広がりつつある。



2.2 FAコントローラ
FAコントローラは通常リアルタイムOSを搭載し、管理・監視のみならず制御をも行なうことを目的としたコントローラである。FAの階層的にはPCの上位またはPCと同等のレベルで使用される。
外形的にはFA仕様化されたパソコンと同様の形状のものが多いが、内蔵しているMPU等を搭載したプリント基板は、パソコンのバスの形態を取りながら独自に開発されたものや、パソコンのバス以外のバスを採用して作られたものもある。
ソフト的には複数の処理を同時に行なうことを要求されるため、マルチタスク機能を有したものが多い。また、MMI部分やGUI機能を強化して各社の特長としている製品も多い。



2.3 専用コントローラ
専用コントローラは、特定の制御に特化した装置を指している。入力に従ってタイミングを制御するタイミングコントローラ、サーボ制御やモーション制御に用いる位置決めコントローラ、数値処理機能を付加したCNCコントローラや温度等のPID制御を行なうコントローラがある。これら専用コントローラも高機能化がはかられ、ファジーなど高度な制御方式を搭載したものなどがある。何れも位置決めなら位置決めのみという特定の用途を持ったコントローラであり、通常はコントローラのみで一つのマシンを制御することを目的に作られている。中には、制御応答は数10マイクロ秒から数ミリ秒という高速性を求められているものもある。パラメータ設定はコントローラ自体で行なえる。ただし、最近の専用コントローラは上位機器との通信機能を有し、各種パラメータを上位機器から行なえるというFA化のための機能を装備したものも多くなっている。ダウンサイジングの面からはMMIにパソコンを用い、制御を実行する部分とMMIを分離したものもある。