11.コリオリ式質量流量計


 質量は流体の種類,特性(密度,粘度),プロセス条件(温度,圧力)によって影響を受けない基本的な物質量であり,物質の量は質量で表わされることが望ましく,化学その他のプロセスにおける反応や処理は質量を基準に行われるものがほとんどである.また,一般の石油製品,酒類を除いてほとんどの液体は質量で取り引きされている.体積流量を計測して質量に演算する,いわゆる間接形の質量流量計では温度,圧力,密度などの計測誤差とそれらに基づいた演算による誤差を伴い,高い精度を得ることが困難な場合がある.計測対象が多様化,複合化し,量から質への転換がいわれる現在,質量流量の直接計測の必要性は急速に高まっているといえる.
 センサ構造等で数多くの特徴を持つコリオリ式質量流量計が製品化され,フィールドニーズと相まって急速にその用途が広がっている.コリオリ式質量流量計は基本的には,流体が流れる「センサユニット部」とセンサユニット部からの流量信号を処理する変換器「リモートエレクトロニクスユニット部」から構成されている.構造の一例を図1.2.10に示す.

図1.2.10 コリオリ式質量流量計の構造例

 2本のフローチューブを振動させる電磁オシレータ,一対の電磁ピックオフ(コイルと磁石で構成),温度センサで構成されている.
 2本のフローチューブは,電磁オシレータによって固有振動で常時一定の振幅で振動している.この時一対の電磁ピックオフには,誘起された電圧(正弦波)信号が発生している.
 この状態で流体を流すと,2本のフローチューブに「コリオリの力」を作用させ,捩れを生じさせる.この捩れの大きさと流体の質量流量は比例関係にある.
 フローチューブは,図1.2.11の様に多種形状のものが各メーカから発売されている.いずれも,流体,気体,スラリーの質量流量を,直接かつ連続的に高精度で計測するために開発されたもので新しい概念に基づいた構造を有している.なお,フローチューブの振動数は流れる流体の質量(密度)によって変化するので,振動数(周期)測定から流体の密度測定ができる.

図1.2.11 フローチューブ形状