3.差圧伝送器


 差圧伝送器は,オリフィスやフローノズル等で発生した差圧を空気圧信号あるいは電気信号の取り扱いやすい信号に変換し,受信計へ伝送するものである.20〜100kPaの空気圧信号に変換する空気式差圧伝送器と,4〜20mA DCの直流信号に変換する電子式差圧伝送器がある.両者とも広く使用されているが,長距離伝送に適した電子式のウエイトがますます高まってきている.以下,それぞれにつき主な特徴を記す.
 空気式差圧伝送器は電気を使わぬ利点があるため,防爆エリアでの使用に,あるいは電気的ノイズの入るおそれのある場合の使用に適する.しかし,伝送距離が長い場合には,伝送遅れに対する配慮が必要である.伝送用配管を太くしインピーダンスを下げるとか,途中にブースタを設け,信号の出力インピダースを下げる等して伝送遅れをさけるのが好ましい.
 電子式差圧伝送器は信号の伝送遅れがないので,遠距離の測定に適し,大型プラントの計装に適する.特に最近の進歩はめざましいものがあり,小形軽量,高精度,ゼロとスパン調整の無干渉化および,本質安全防爆化等が実現されている.図1.2.2にシンプルさを追求した伝送器の原理の一例を示す.
 高圧側および低圧側の接液ダイアフラムに加えられた圧力は,封入液を通して感圧ダイアフラムにそれぞれ加わる.感圧ダイアフラム(可変電極)は,両者の圧力差に比例して変位する.その感圧ダイアフラムの変位が,感圧ダイアフラムとその両側の固定電極との間の静電容量差として検出される.この静電容量の差を電子回路で変換・増幅し4〜20mADCの出力信号を得ている.

図1.2.2 電子式差圧伝送器の原理図例

静電容量式の他にも差圧によるストレインゲージの抵抗変化を利用したものや半導体加工技術を活用してシリコンチップの中の真空室に圧縮力と伸張力とが同時に作用する振動子を形成し、差圧によるその固有振動数差変化を検出して差圧を測定するもの(レゾナントセンサー)が市販されている。

 さらに最近では,マイクロプロセッサを搭載し,検出,記憶,演算の他,判断,通信機能を有し,フィールドバスに対応したインテリジェントタイプの伝送器が登場している.図1.2.3にその概念図を示す.

図1.2.3 インテリジェント化伝送器の構成

 また,光ファイバケーブルを利用した光伝送式は,電磁ノイズ,雷の影響を受けず,双方向通信,高速多重通信が可能な信号伝送方式として注目されているが,これを利用した光ファイバ式バス方式フィールド計装システムに対応した,光式差圧伝送器も開発されている.
 差圧伝送器に代え差圧を応用する方法に,差圧によってバイパスに流れる流量を測定し,これをもとに全流量を求めるタイプがある.