5.熱膨張式温度計

 熱膨張式温度計は温度の上昇に伴い物体が膨脹する性質を利用した温度計で,工業用に用いられるものに気体や液体の膨張を利用した充満式温度計と,金属の膨張を利用したバイメタル温度計がある.  JIS Z 8707−1992「充満式温度計及びバイメタル温度計による温度測定方法」では特徴,補正方法,検査と校正方法等が記載されている.

表1.1.6 熱膨張式温度計の温度範囲

 充満式温度計は別名をブルドン管式温度計とも呼ばれるように,膨張を圧力変化に変えてブルドン管を変位させ温度指示させる温度計で,液体膨張式,蒸気圧式及び気体膨張式の3種類がある,振動,衝撃には丈夫で遠隔測定ができるが,精度はフルスケールの0.5〜1.5%で精密測定には不向きである.
  バイメタル温度計は,膨張係数の異なる2種類の金属片を溶接などの方法により接着した物を用いた温度計である.バイメタルの一端を固定しておけば,温度変化により他端に変位が生ずるので,この変位を指示部に伝えることにより温度測定が行える.バイメタルの材料としては,インバーと黄銅(−50〜200℃),モネルとニッケル銅(500℃まで)が主に用いられ,気象観測用,工業用に用いられる.測定精度はフルスケールの1.0〜1.5%である.
  この種の温度計は構造が簡単であり,直接温度値が読めるため,現場指示に多く使用される.
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