2.熱電対

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 熱電対とは,2種類の異なった金属の導線A,Bの両端を接続して閉回路を構成した時,その両端にT1,T2の温度差を与えるとその回路に電流が流れる現象を利用したものである.実際に使用する際は,片側を温度を測定する箇所に設置し,他端を計測器に接続することで発生した電流を電圧として測定し温度に換算する.

表1.1.2 各種温度計の特徴および誤差要因
測定方式 種類 特徴 誤差要因
接触式 熱電対 (1)細い熱電対線を用いることで,熱接点程度の大きさの温度を測定できる.
(2)細径のものは応答速度が速い.
(3)振動・衝撃に強い.
(4)材料の選定により極めて高い温度の測定ができる.
(5)基準接点が必要である.
(1)基準接点の安定度.
(2)補償導線の影響.
(3)熱履歴による材質の不均質化.
(4)長期にわたる高温使用による熱電対線の劣化.
(5)熱電対線からの熱の流出入.
白金測温
抵抗体
(1)測定温度は抵抗素子の大きさ(数cm2)の平均温度となる.
(2)0℃近傍を含め,−200℃〜500℃で精度良い温度測定に適する.
(3)抵抗線が細いため,振動や衝撃の大きな場所には適さない.
(1)測定対象との熱接触長さの不足.
(2)測定導線や保護管からの熱の流出入.
(3)測定電流による自己加熱.
(4)抵抗線の径年変化.
(5)導線抵抗のばらつき.
サーミスタ (1)測定温度は抵抗素子の大きさ(数mm2)の変均温度となる.
(2)温度変化に対する抵抗変化が大きいため,微小温度変化の測定に適する.
(3)使用温度範囲が狭い.
(4)導線抵抗に比べて,抵抗素子の抵抗値が大きい.
(1)測定導線や保護管からの熱の流出入.
(3)測定電流による自己加熱.
(4)抵抗線の径年変化.
膨張式
温度計
(1)振動・衝撃に強い.
(2)直接温度が読め,簡便に使用できる.
(1)導管からの熱の流出入.
(2)導管部の露出部の影響.
(3)熱履歴による変化.
非接触式 放射
温度計
(1)直接測定対象に触れずに温度が測定できる.
(2)高温域での温度が測定できる.
(3)移動または回転している物体の表面温度が測定できる.
(4)非測定物の温度を乱すことなく測定できる.
(5)原理的に応答速度が極めて速い.
(1)放射率の不正確さ.
(2)放射率の変動.
(3)光路中の吸収・散乱.
(4)迷光(外来光・反射光)
(5)経年変化.


図1.1.1 熱電対回路

 この温度と電圧の関係を定めたものが規準熱起電力表でJIS C 1602に規定されているが,1995年7月にITS−90に合わせるために改正された.改正前との熱起電力の差は僅かであるため,従来品との混在使用が可能である.従来の規格から大きく改正された点は許容差の考え方で,次のようになっている.許容差の適用温度は+側の最低温度を−40℃とし,−側の最高温度を40℃として適用温度範囲を広げている.また,一部例外もあるが改正前規格の0.4級にあたるものをクラス1,0.75級をクラス 2,1.5級をクラス3と呼んでいる.また新たに,N熱電対が追加され,IEC規格との整合が計られている.
 熱電対の構造は図1.1.2に示すようなシース形が工業用としては最も広く使用される.シース形は熱電対素線を固く充填した酸化マグネシウムと金属パイプで覆ったもので,長尺の製品の製作が可能で柔軟性がある.シース熱電対の規格はJIS C 1605として1982年に制定されているが,1995年7月に熱電対の規格と同時に改正された.古くから使用されている熱電対は,素線に絶縁碍子を通し外側を保護管で覆った構造のものである.現在も高温用に使用される白金合金のR.S.B熱電対はこの構造である.

図1.1.2 シース熱電対断面と測温接点部

 熱電対は測温抵抗体と比較して,耐振性に優れ高温,高圧等の悪条件下の使用にも耐えることができる.特に細径の熱電対は小さな物体の温度測定が可能で,応答特性に優れると言った特徴を持つ.一般に使用される熱電対の使用温度範囲を表1.1.3に示す.

表1.1.3 熱電対の使用温度範囲



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